ガジェットの為の用語解説、Bluetoothのコーデックについてです。
Bluetooh のコーデックの概要
最初に概要です。
Bluetooth は、プロファイル と呼ばれる仕様によって様々なデータの通信が定義されています。
その中でも、音楽のようなオーディオデータの通信を含む機能はA2DPというプロファイルで定義されています。
A2DPプロファイルによって音楽のデータを通信する際、オーディオデータを効率よく通信するために、データを圧縮してデータを送り、送り先で再び伸長し、音楽再生をします。
このデータを圧縮・伸長する技術の事をコーデックと言います。
Bluetooth のコーデックとは
かみ砕いて説明していきます。
Bluetooth と プロファイル
まずは事前の知識として、Bluetooth と プロファイル について知っておくと理解が深まると思います。
Bluetooth や プロファイル について?となる方は、是非リンクを踏んで各用語の解説を確認してみてください。
コーデックとは
コーデックとは、データを効率よく通信するための、データの圧縮・伸長技術です。
目に見えない現象なのでわかりにくいですが、Bluetoothのような無線通信は、データを送れる速度・量には限界があります。
このようなデータ通信の性能を示す単位や用語として、スループット , データレート , ビットレート , bps(bit per seconds) などがよく用いられます。
基本的には、一秒間に遅れるデータの量の事表しています。
音楽や動画等の”音”のデータは、音質を高くする為に必要なデータの量も多くなります。
CD相当の音質や、一般的なゲーム機器(PC、プレステ)で標準で出力される音の通信に必要なデータの通信量は、Bluetoothの通信量を上回る量となっています。
そのため、このままではデータの通信が間に合わず、音が正しく再生する事ができません。
これを解消する為に技術が コーデック です。
コーデックは下の図の様に、データを各コーデック独自のアルゴリズムによって、データを別な形式に変換するなどしてデータ量を一旦減らし、その状態で通信を行い、通信後に再変換して元のデータに戻すという事を行います。
じゃあ最初からその形式でデータ持っとけばいのでは? という気になるかもしれないけど、それだと再生したい時にかならず再変換が必要になるという面倒もあるので、使い分けてます。
因みにMP3もコーデックの一種で、今ほどデータを大量に保存できなかった頃は、少ないストレージにいっぱい曲を保存しておくために、MP3のまま音楽データをPCに保存するというのが主流でしたね。(今も?)
たとえ
頑張ってわかりやすいようにたとえてみます。
まずBluetoothによる無線通信は、例えると下の絵のように考えられます。
データ通信する際は、送りたいデータを一塊にして、データを送るための箱(=封筒)に入れて送信し、この一連の動作を繰り返していきます。
この時の封筒の大きさや、繰り返しの速さがBluetoothで通信をする時にどれだけデータを送れるかの限界を決めます。
Bluetoothの通信能力では、下の図の様に、CD相当の品質の音楽データをそのまま送れるだけの容量がありません。
そこで、下の絵のように、コーデックによって、データを圧縮(=紙を折りたたむ)して封筒に収められるような工夫をします。
折りたたむ事でデータを送れるようにはなりますが、そのままでは中身を読む事は出来ないため、再度データを伸長(=折りたたまれた紙を開く)する事でデータの中身を確認する事ができるようになります。
例えがわかりにくかったらスマン
コーデックの種類
これまで説明してきたように、高品質なオーディオデータの通信にコーデックはとても重要な技術です。
このコーデックは色々な会社が他社と差別化する為のポイントとなっており、より高品質に、より遅延を少なくデータの通信をする為に様々なく工夫をしています。
Bluetooth対応のオーディオ機器を購入する際は、各コーデックの特徴を踏まえて、目的にあったコーデックに対応している機器を選びましょう!
代表的なコーデックは下の表の物があります。
コーデック名 | 特徴 |
SBC | Bluetoothで音のデータ通信に必須のコーデック。遅延が大きい。 |
ACC | 主にApple製品でよく使われている。SBCより遅延が小さい。 |
AptX | 主にAndroid製品でよく使われている。SBCより遅延が小さい |
AptX HD | AptXをさらに高音質にしたもの |
AptX LL(LowLetency) | AptXと音質は同等のまま、さらに低遅延にしたもの。現在最も低遅延 |
LDAC | 現在最もデータ量多く通信でき高音質と言われているもの |
例えば
- Bluetoothで高音質な音楽を楽しみたい方はaptX HDやLDACに対応した機器を
- Bluetoothでも低遅延な音でゲームを楽しみたい方はaptXLLに対応した機器を
選ぶのが良いかと思います!
コーデックによる遅延の違いは下記の記事で検証してみましたので参考にしてみてください。
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